二ケ所目、鳥羽市の宿が扇野温泉「扇芳閣」。山本周五郎の小説の舞台になっている所らしいけど、
まあなんとなくカゲを感じる所ではあるかな？
小高い山の中ほどに建っている立派なホテルで、全室オーシャンビュー。オーシャンブルーといったのは
おむらいすの庄子真理子氏。風呂はもちろん展望風呂と露天もある。そんな立派なのに、素泊まりお一人
\2000というプランがあって驚き。それで泊まったのだけれど・・・
泉質はアルカリ性単純泉。ホテルの前やロビーの至る所に「扇野温泉、平成11年誕生」とか書かれた旗が
立っていたので、どうやら温泉宿になったのはつい最近のようだ。
展望風呂にあったちょっと場違いな木造りの湯口が、パンフレットの写真には写っていないところなんかが
その証拠であろう。
近くの会館から仕込みを終えてチェックイン。すぐさま露天に入った。最上階から更に階段を昇った
先にある露天風呂は、かけ湯やシャワーも完備されていていい感じ。でもおいらは、はじめそれらに全く
気付かず黙々とお湯に浸かり、先に入った館林さんがシャワーに入っていて姿が見えないので、どこへ
いってしまったのだろうと本気で心配してしまった。
いわゆる庭園露天風呂で、灯ろうがたっていたり、小さい川のように水が流れていたりと落ち着く造り。
風呂の塀に「木の葉やむし達も温泉が大好きです。でもどうしてもがまんできない方は、この網で掬って
下さい」と書かれた看板と、むし捕り網が置いてあった。木の葉は仕方ないけど、むしは好きで温泉入ってる
訳ぢゃないよなあなどと、ちょっとズレた会話でみんなで盛り上がった。
露天風呂から遊歩道を登った先に、大きな池にメダカを大量に飼育している「めだかの学校」という
モノがある。それはそれで地味な感じがいいのだけれど、遊歩道に出る所にある下駄箱の上に「旅の思い出を」
というノートが置いてあった。中を見ると、一見達筆な文章が書かれていて、なるほどさすが文学的にゆかりの
ある宿だけにその辺にこだわるお客も多いのかと思ってよく読んでみると、
「余命三ヶ月を宣告され、家族で最後の旅行となりました」
「人生、一生、良い事なし」
「将来結婚する女と来ました。仕事と家庭の両立に悩んでいます」とか、
かなり重いテーマが語られていて、来た当初に感じた鳥羽のカゲの部分を妙に認識してしまった。
これは扇芳閣の箸袋のイラスト【2011.追加情報】
鳥羽旅館 伊勢志摩国立公園 扇芳閣 HP
とにかく立派な宿だった印象が残っていましたが、HPをみるとやはりそんな感じ。
TOPで水琴窟の音が大きく鳴るので注意！
日帰り入浴のみは受け付けていないようなので、今のスタンスでは行けないやい。(笑)